アラサーから始めるロードバイク

運動音痴、運動嫌いの俺がロードバイクに乗り始めた記録です。

初めてのヤビツ峠

こんにちは! ロードバイク初心者のyuntaです。


今日はヤビツ峠に挑戦してきました!!
ヤビツと言えば超有名かつ超人気の峠。
前回の大垂水峠より距離も獲得標高も倍近くあります。
そして、ろんぐらいだぁす!の主人公亜美ちゃんが初めてにして唯一リタイアした場所でもあります。
オソロシイ……。
果たして俺はヤビツ峠を制覇することが出来るのでしょうか……。


まずは秦野駅まで輪行します。
平日の昼間だったので電車は空いていました。
しかし車窓から見える山々に霞が掛かっており、これから上るヤビツ峠は大丈夫なのかと心配になりました。


秦野駅では輪行を解く人の姿が多く見える。と事前の情報があったのですが今日は平日。
さすがに自分以外にロード乗りの姿は見えません。
みんなはどこで輪行解いているんだろう?
とりあえず俺は、駅前にあった変な赤いオブジェのところで組み立てました。


まずはヤビツ峠のスタート地点に用いられることが多いという、
名古木交差点のセブンイレブンを目指します。
自転車で10分もしないで到着しました。
するとちょうど、ヤビツ峠から降りてきたのであろうロード乗り3人がセブンにやってきました。某最高の最高学府の学生さんみたいでした。(レーパンに書いてあった)
他にもこの日は3人くらいしかロード乗りを見ることはありませんでしたね。


セブンでボトルの補充と、おにぎりを一個買いました。
ちょうど昼時にやってきたので、あまりお腹いっぱい食べるのもキツイだろうということで、軽く腹ごしらえです。


さて。準備体操をして、いよいよヤビツ峠踏破開始です!
ヤビツ峠アタックと言えばタイムを計るのが普通らしいのですが、今回は初めてなのでタイムは気にしません。
目標は足をつかないで登りきること。
ただし途中にある展望台は絶景とのことなので、そこには寄ります。
そして要注意ポイントは「蓑毛」という地区にある坂です。
ヤビツ峠ではここが一番キツイとのことで、覚悟していきたいと思います。


セブンを出るとすぐに坂が始まります。
そして最初のカーブを曲がった辺りで――
えっ、なにこの坂は!?
と思うくらい傾斜がある坂に出くわしました。
まさかここが蓑毛? いやもっと先だった気がする。
大垂水峠に行った時はこんな斜度の坂はなかった……というかまだ住宅地なんだけど、なんだこの坂は?
と思いながらさっそくリアを落として登り始めました。
なんだか先が思いやられるスタートです。


その坂を上り終えると、大分傾斜が緩くなりました。
ここら辺はまだ登ったり下ったり平坦だったりと、完全な登りの開始というわけではないようでした。
最初の信号で捕まり停車。
やれやれ……これはすぐにフロントのインナーを解禁しなくてはいけないかもしれないな……。
などと思いつつ足元を見た時に気付きます。
あれ……? すでにフロントインナーだ……。
そうか、セブンを出発してからずっと坂だったからアウターにする暇がなかったんだ!
(自分は停車・発射時は必ずフロントをインナーに落としています)
すでに結構ペダルが重いと感じていたのに、大垂水峠では使わなかったフロントインナーを解禁してしまっていたとは……!
ますます先行きが不安になりました。
残るギアはリアの4枚……! 本当にきつくなるまでとっておかないと、後がなくなる……!


さて人家もまばらになってきたあたりで、何度か斜度がキツメの坂を上ります。
これが蓑毛なのかな~? と思いながらギアを保持しつつ登っていきました。
途中、神社があり、風情のある水車があり、
目の前を見た瞬間。



「ぶっwww はっwww え? マジかよwwww」



と盛大に独り言で噴出してしまいました。
目の前には、今までの坂が屁かと思えるほどの激坂が待ち構えていたのです。
もう見た瞬間に「これが“蓑毛”か」と理解できました。
斜度が上がり始めた瞬間、ためらいなくギアを一番軽くしてペダルを回します。
時速9kmくらいのノロノロで漕いでいても、どんどん心拍が上がり息も荒くなっています。
この地区に住んでいる人は、どんな剛脚なんだ……?
距離はそれほどではありませんが、たっぷり時間と体力を使って登り切ります。
まだまだ序盤にも関わらず、ほぼ全ての力を使い果たした感がありました。
あと腰がめっちゃ痛くなっていました。


さぁ、ここから民家は消え、山道に入ります。
え? ここからが本番っぽいのに、この状態で大丈夫??
汗はダラダラ、息は上がり切っています。腰も激痛です。
やはり俺にヤビツは早かったんだ!
と思った瞬間、ふと気づきます。


あれ?
斜度が全然緩い?


そう、蓑毛の坂を超えて、山道に入ったあたりから、むしろ斜度はかなり緩くなっているのです。
慌てて、なんとかここで心拍を戻さないと! と、息を整えつつ登っていきます。
自分のペースを守る、身体を起こして呼吸を楽に、しんどくなったらダンシングで休む。
基本を思い出しながらひとつひとつを実践していきます。
特に俺は苦しくなってくると下を向いてしまう癖があるので、身体を起こすのは大事でした。


山道に入ってからは楽に登れるようになり、静かな自然の中を悠々と走ることが出来ました。
車通りもそれほどないし、気温が低かったことも要因だったと思います。


そして有名な亜美ちゃんリタイアポイントを通過し、およそ中間地点の展望台に到着!
ここからは秦野市、相模湾が一望できます!
しかし今日は霞がひどくて全く何も見えない!!! 解散!!!!!


俺はすぐに登りを再開しました。


中間地点を過ぎると流石に楽々上るというのも難しくなってきました。
先ほどの基本を押さえつつも、自分なりに色々と工夫をこらしてみました。
シートの位置を浅くしたり深くしたり、ハンドルの握る位置や強さを変えてみたり、漕ぎ方も引き脚を強くしたり回すのを意識したり。
とにかく色んな場所の筋肉を使って登るようにしました。
ロングライドも登りも、楽して乗るのが大事だと誰かが言っていた気がします。


そこからは途中、2・3箇所くらい傾斜の強い場所がありましたが、蓑毛の坂ほどではありませんでした。
確かにこの峠はあそこさえクリアできれば、あとはそれほど難しくないのかもしれません。


そして黙々と登り続けてきた俺の目の前に……あの有名な看板が見えてきました。
うおおお! ラストスパートじゃああ!


ゴール!!






時間は1時間1分58秒。もう少し急げば1時間は切れたかもしれません。
しかし無事に登りきれたことで今は満足です。
勝因としてはしっとりとした天気で気温が低かったこと。
あとは平日でロード乗りが少なかったので、速い人にどんどん抜かされて焦ったりすることなく、自分のペースでのんびり登れたことだと思います。


さて。峠帖を見たり、コーラで一人乾杯したり、補給食を喰っていると……
かなり肌寒く感じてきました。
全身汗でビショビショだし、途中で水かけしちゃったのでなおさら冷えてきました。
そういえば山頂付近は冷えるのでウインドブレーカーを持って行った方が良いと見た気がします。
しかし今回は用意がありません。
冷え切ってしまう前に山を下りることにしました。


帰りはヤビツ峠から宮ケ瀬湖へと抜ける、通称「裏ヤビツ」を通っていくことにしました。
路面は結構ウェッティだったので、ブレーキで減速しながら気を付けて下りました。
大垂水峠の時も思ったんだけど、峠登ったあとって手が痛くてブレーキが握りにくいんだよなぁ。


こちらのルートは距離が長く、傾斜は緩やかで、路面状況はところどころ悪いです。
しかも下っていった先で、アップダウンがあったりするので、降りるなら一気に降ろせよ!と思いました。
ただ川沿いを下ったりできるので、景色はいいと思いました。
あとダウンヒルはやはり身体が冷えるので、ヤビツ峠以上の場所に登るのであればウインドブレーカーは必要だなと思いました。
でも、もう輪行するとバックパックがパンパンなんだよなぁ、うーむ。


さて、宮ケ瀬湖に到着……というか通過です。
これを渡る橋からはなかなかの絶景が見えました。車道だったので写真を撮ることができず残念です。


さて、宮ケ瀬湖を抜けたら、あとは伊勢原駅に向かいます。
しかしここで一つ問題が。
今回、このライドではまだ昼食を取っていません。
もう15時を回ってしまいました。
このままではハンガーノックになってしまうかもしれない……。
幸いにしてほとんど下り坂なので疲労はしていませんが、何か食べておきたいところです。
途中で食事処を探しますが、なかなか見つかりません。
すると道の駅を発見しました。
ちょうどトイレも行きたかったので大助かりです。
食事処があるわけではありませんでしたが、パンを売っていたので一つ食べておきます。


ここで恒例の、一つの選択です。
帰りを自走にするか、輪行で帰るかです。
体力的にはまだ余裕がありそうですし、峠とここまでを合わせて30kmほどしか走っていないので若干物足りなさを感じます。
しかし時間は16時前でここから自走すると結構遅くなりそうなのと、ぽつりと雨が降ってきたことが懸念材料です。
そこで決めました。
伊勢原駅に到着した時点で、17時を回っていたら輪行することにします。


さぁ、出発です。
まだまだ下り坂が続きますので快調に進んでいきます。
これなら伊勢原まで一時間は掛からないんじゃないか?
と思いつつ道筋に沿って進みます。
伊勢原へはまっすぐ南下するルートです。
ちらり、とスマホの地図を見ます。
あれっ?
おかしいな、南下してるはずなのに、微妙に東の方にずれてるぞ?


停車して良く確認すると、1kmほど前の道でまっすぐ行くところを左折してしまっていたようです。
ここから1km戻って元のルートに直すのは、なんかめんどくさい……。
この道からだと伊勢原はいけないけど、自宅の方向へは行ける……。


あぁ、もう、自走でいいや!


ということで、そこから家まで自走することにしました。
途中、微妙に道を間違えたり、猛烈な尿意に襲われてコンビニに寄ったりしましたが、無事にいつものルートに入ることができました。
そういえば帰りに中原街道を通りました。この道「アップダウンきつい道だな~」と最初の頃は思っていたのですが、今日はそれほど苦にせず淡々と進むことができました。
やはりヤビツ峠を登ったあとだと、このくらいの坂は平気になるようですね。


家までもう少しというところで、あまりにも空腹になったので吉野家に寄り補給。
う~ん、空腹は最高の調味料ですね。ここまで美味しく吉野家を食べたのは初めてかもしれません。


元気になってあとはゴールまで全力で駆け抜けました。


さて、そんなこんなでヤビツ峠を制覇してきました。
レベル的には今の自分がギリギリ登れる峠なのかな~って感じです。
でも蓑毛さえ越したらあとは楽しく登れるので、人気な峠になるのも納得です。


今度のライド記録ですが、恐らく長野県の安曇野になると思います。
初めての一人旅に行ってきます。わくわくドキドキです。
でも天気予報が雨なんだよな~~。なんとか晴れて欲しい……。
ではまた。

初めての峠 大垂水峠攻略

こんにちは! ロードバイク初心者のyuntaです。


さて、今回は初めての峠に挑戦します。
ろんぐらいだぁす! や他の方の車載動画などに影響されて、最初はヤビツ峠に行こうと思っていました。
しかし数日前に、ろんぐらいだぁす!の原作を読んでいたら気付いたんですが、主人公の亜美ちゃんが最初に行った峠はヤビツではなかったんですね。
それは大垂水峠という場所でした。
ここを亜美ちゃんは折り畳み自転車のポン太くんで踏破しています。
なるほど、調べると初心者向けの優しい峠で、最初の峠に最適なようです。
そこで急遽、行き先を大垂水峠に変更しました。


今回の峠挑戦にあたり、もう一つ初めての試みがありました。
それは輪行です。
輪行とは自転車を電車などに持ち込んで移動することです。
その為に輪行グッズを買いこんできました。
自転車を入れる為の輪行袋、リアフォークとディレイラーを保護するエンド金具というパーツ、あとはフレームを守る保護材などなど。
買ってから一週間ほど放置していたのですが、ようやく使う出番が来たということです。


出発の前日に、初めての輪行準備に挑戦しました。
タイヤをフレームから外すのは、みなとみらいライドの後の整備時にやったことがあるので、それほど苦ではありませんでした。
しかしエンド金具を取り付けるのに少し苦労し、タイヤをフレームに括りつけるのも時間が掛かってしまいました。
大体40分くらい掛けて、ようやく袋に収納完了です。
峠を登るのに大きなバックパックを背負いたくなかったので、メットやシューズなどはフロントフォークに引っ掛けて輪行袋の中に入れてみました。


さて、当日。
毎度のことながら微妙に寝坊しつつ出発です。
ジャージに着替えてバックパックを背負い、輪行袋を肩に担いで、いざ出発!


ずるっ!


と、いきなり肩掛け紐が解けました。
どうやらボトムブラケットに巻き付けていた部分の固定が緩かったようでした。
解けた瞬間に地面に輪行袋を降ろしたので大事には至りませんでしたが、これが移動中の階段とかで起きていたら大変なことになっていたかもしれません。
不幸中の幸いです。結びをしっかりと直して出発します。


電車では先頭車両のスペースを使う様にと色々な媒体に書いてあったので、それに従い移動しました。
平日の10時過ぎくらいだったので、基本的に電車内は空いていて安心して運ぶことが出来ました。
電車内では基本的に床に置いたままなので、担いで歩く時間はそれほど多くなかったですが、結構腰に来ますね。
そして電車に揺られること1時間半くらい、今回の目的地である高尾山口駅に到着しました。


駅前のよさげな場所を探し、輪行をほどきます。
するとフレームにタイヤを括りつけていた紐がゆるゆるになっていました。
運んでいる最中も、どうもガタガタするなぁ、と思っていましたが、まるで固定されていません。
どうやら結び紐の使い方を間違っていたようでした。今回は大きな支障はありませんでしたが、次回から気を付けたいと思います。


さて組み立ての方は案外とスムーズに行き、20分ほどで組み立て終わりました。
荷物もコンパクトなバックパックにギリギリ収まり、無事に初めての輪行は成功しました。


さぁ、焼き団子で腹ごしらえしてから、大垂水峠を目指して出発です。
高尾山口駅から大垂水峠までは、国道20号線(甲州街道)を通ります。
ここは交通量が多く、大型車両も結構通ります。気を付けて走行しなければなりません。
途中、ロード乗りが後ろにつきました。多分、この人も大垂水峠に行くんだろうから先に行って案内して欲しいな~と思いながらそのまま進みます。
10分くらい走ったところで坂道が始まり、周りも山に囲まれた風景になってきます。
大垂水峠踏破開始です!


と同時に後ろについていたロード乗りが俺を追い越し、そのままギュンギュン加速してあっという間に登っていきます!
は、速い……。
しかし俺はマイペースに登っていくことにします。
ヒルクライムでは自分のペースを守ることが大事だと聞いたような気がします。
まぁ、あんなスピードで登ること自体無理ですが……。


最初のうちは特に苦しいと感じることもなくスイスイと登れていました。
しかし、やがて自分が体験したことのない領域に入ります。
そう、今までの俺は坂道を登ったといっても、ある程度いけば下り坂や平坦に戻る道しか走ったことがありません。
登っても登っても、延々と上り坂が続いていく道は初めてです。
ケイデンスを一定に保つこと、身体を起こすことを度々意識しながら、できるだけ苦しくならないように登っていきます。
木陰に入っていて涼しい場所なのに、今まで掻いたことのないような量の汗が噴き出してきます。
ペダルが重くなってきたのでリアを一枚軽くします。
水分補給も忘れずにしていきます。
脚が重くなってきた気がするので、よく言われる「休むダンシング(立ち漕ぎ)」を練習してみます。
自分の体重でペダルを踏むように意識して、シッティングとは別の筋肉で登ってみます。
まぁ正しくできているかは分かりませんが、なんとなく楽になった気がしました。
息も上がり始めました。リアを更に一枚軽くします。
うーん、ちょっときつくなってきたかな~。


と思ったところで、前方に下り坂が見えました。
あれっ? なんで下り?
と思い上を見ると「大垂水峠 これより神奈川県」の文字が!
あれっ!? もう終わりなのか!
っていうか俺、神奈川から来て神奈川に戻るんだな……。
と思いつつ標識を過ぎて下り坂に入ります。
そこからほんのすぐに行くと、有名な「大ダルミ峠」の石碑が。
立ち止まり車がこないことを確認してから、パシャリと一枚。



こうして俺の初峠「大垂水峠」攻略は完了しました。
確かに初心者向けというか、初めて峠を登るならぴったりの難易度でしたね。
リアもあと3枚くらい残ってたし、フロントはずっとアウターでいけたし。
むしろ、ちょっと物足りなかったかも、なんて生意気なことを言ってみます。
斜度や距離は優しいですが、交通量は結構多いのでそこだけは気を付けたいですね。


そして登ったあとは下りです。
初めてのダウンヒルはしっかり下ハンを握って、ブレーキを掛けつつ安全に下っていきました。
ペダルを漕がなくても凄まじい動力が得られる……ダウンヒルは楽ちんで楽しい……。
そして相模湖の方に降り立ち、そこから家まで自走で帰ることにしました。
平日でしたがロード乗りの方がちらほらと見え、軽く会釈するなどしつつ津久井湖の方へ。
途中でこちらのお店でお昼ご飯を食べました。





店内にサイクルラックがある! などサイクリストに優しいお店ですね。
コーヒーもとても美味しかったです。


他にも店先にサイクルラックがあるイタリアンか何かのお店があり、今度こちらに来たら行ってみたいと思いました。


あとは16号線を下って行ったんですが、ひとつ思うことがありました。
それは、ここらへん……「サイクルベースあさひ」多すぎね? ということです。
実はこの日の前にも相武台前にライドしており、その際にもサイクルベースあさひを見まくった気がしたのです。あれ?またあさひがある、と。
これはおかしい、あきらかにサイクルベースあさひが多すぎる……と思っていたのですが……。
今、
検索してみたらこの辺、
コンビニかってくらいサイクルベースあさひがあります。
ま、まぁ……自転車乗りにしてみたら嬉しい……のか?
とりあえず、16号線沿いや大和市は自転車専用道路などの整備も進んでおり、自転車に優しい街ですね。


そんなこんなで初めての輪行、初めての峠を楽しんできました。
いやぁ、実にいいですね、輪行。
ルートが単純な往復にならなくて済むし、今までとは行動範囲が桁違いに広がります。
もっといろんなところを走れるようになりそうです。


さてさて、最後に。
今までこのブログは俺がロードバイクを買って来てからの記録を振り返ってきたわけですが……。
この記事でついに今現在の俺に追いつきました。
なので次回からは新鮮な記事を書いていくことになると思います。
あとはライド記録以外にも雑多なことを書いていく予定です。
なのでもう次回予告はありません。
さぁ、これからもどんどん走るぞ!

小田原攻め~箱根ライド 150km

こんにちは! ロードバイク初心者のyuntaです。


ちょっとだけロードバイクと関係ない話をします。


俺は小学校の頃から運動が苦手でした。
特に持久走が凄く嫌で、いつもビリ争いをしていました。
ある学年の持久走では、リタイアをしたことがあります。
リタイアして家に帰った時に、観戦していた親から「途中でやめたのあんただけだよ、恥ずかしい」と言われました。
それが子供心にとてもショックで、今にして思えば運動全般が嫌いになった決定打だった気もします。
(親の名誉のために捕捉しますが、俺の両親は基本的に甘くほとんど怒ることをしませんでした。親にショックなことを言われることは滅多にありませんでした)
それから十数年後――



さて、ロードバイクを購入してから一カ月が経ったある日。
俺は一つの決心をしました。


豊臣秀吉になる。


まぁ、つまりは小田原攻めです。


自宅から小田原まで片道70km強、往復すれば恐らく150kmに到達するかしないかというロングライドです。


ロードバイクに乗り始めたころ、ロングライドの定義について調べたことがあります。
大体の人によると、50km・100kmがロングライドの相場といった感じでしたが、ある人はこう書いていました。
150kmからがロングライドだ、と。
(ちなみに俺は、初心者は50kmからロングライドと呼んでよく、ロード乗りにとっては100kmからがロングライドという見解です)


つまり俺はようやくホンモノのロングライドに挑戦するのです!


装備も万全です。
ビンディングペダルにしたし、補給食もちゃんと用意しました。
そしてボトルホルダーも2個にして水分補給の準備もばっちりです。
負ける要素はない。


さて、すでに慣れ親しんだ感のある境川サイクリングロードを通って江ノ島を目指します。
途中で飯田牧場に寄ってジェラートを食べました。
気温は結構高かったし日差しも強かったので、とてもおいしかったです。
途中、何人かのロード乗りとすれ違いますが、とりあえずロード乗りを見るとフレームのメーカーを見てしまいますね。自転車のメーカーはロード乗りにとって名刺代わりみたいなもんの気がします。


江ノ島までは特に問題なく到着しました。
江ノ島からは国道134号線を真っ直ぐに進みます。
思っていたより海を見ながら走ることは出来なくて残念でしたが、信号が少なく平坦な道なので快適に走ることができました。
大型車両は結構多かったですけどね。


途中、国道1号線(東海道)に切り替わります。
ここで少し異変が。
少し、頭が痛くなった気がしました。
ただ走行には支障をきたすほどではなかったので、構わずに小田原攻めを続行しました。


ここら辺は結構、小田原側から逆走してくるロード乗りの人が多く、すれ違う時は互いに謎の会釈をしました。なんか仲間意識があるんですよね、ロード乗りに会うと。結構ほっこりします。


小田原市内に入ったところで、すでに昼は過ぎていました。
ここまで快調に飛ばしてきたつもりでしたが、思ったよりも時間が掛かってしまいました。やはり朝寝坊したのが響いたようですね~。
昼ご飯はこの先にある早川で食べようと思っていたので、とりあえず先に小田原城を見学しにいきました。
敷地内は砂利道だったり階段だったりで、自転車を持っていくには不向きな感じでしたが、頑張って天守閣の見えるところまで行きました。
ここで空腹感が出てきたので、携帯していたスポーツ羊羹を食べました。
本当はお腹が空いた時点で遅いので補給失敗なのですけどね……。


さて、とりあえず目的地の小田原に到着ということです。
往路では何度か立ちゴケしそうになりました。
前回


のライドでは立ちゴケしそうになることはありませんでしたが(最後に盛大に立ちゴケしたけど)
今回のライドでは割と信号待ちで危ない場面がありました。
停車したけどなかなかクリートが外れなくて思わずガードレールを掴んだりとか(ガードレールがなければ即死だった)
停車中に右に重心が傾いてしまってガードレールを掴んで間一髪とか(ガードレール様~)
これは帰りの方が疲れているだろうから気をつけねば、と気を引き締めました。


さて小田原城を出たあとは早川で魚を食べました。

こちら。
サイクルラックがあるのは、やはりサイクリストにとって嬉しいですね。
店員のおばちゃんが、凄くサバサバというかテキトーな感じの人で、ちょっと面白かったです。


さて、ご飯を食べて一服したところで、時刻は15時を回っていました。
小田原に来てご飯を食べた時点で6時間くらい掛けてしまったことになります。
ここで一つの選択肢です。
実は今回の小田原攻め、ゴールを箱根湯本にする計画もありました。
「小田原に行った」よりも「箱根に行った」の方がなんか通りが良さそうだからです。
ですが思ったよりも時間が掛かってしまったし、それに何だか頭痛も収まらない……。
どうするべきか少し考えましたが……


迷ったらGOの精神で行くことにしました!
(多摩川CRの時から進歩がない)



箱根湯本までは登りもゆるく一本道ですので、大した苦もなく辿りつく事が出来ました。
良い撮影ポイントが見つかりませんでしたが、赤い欄干の橋のところでロードを置いて記念撮影しました。

ここで鎌倉の時と同じく、外国人の女性から写真を撮って欲しいと頼まれました。別れ際に「メルシー」と言っていたのでフランスから来た方だったのでしょうか。


温泉に入って休みたい気持ちも

凄く

あったのですが、温泉に入っている間のロードが心配だし、時間的にも余裕がないのですぐに出発することにしました。


さて復路がスタートしてすぐに異変が起き始めました。
まず頭痛が収まりません。というよりどんどん強くなってきている気がします。
そして何だか胃のあたりが重い気がします。水分補給がいつものように喉を通りません。
小田原を出てすぐに「これはまずいかもしれない」と思い始めました。
いつもは結構休憩なしでガンガン進んでしまうのですが、途中で一旦休憩を挟むことにしました。
コンビニに寄り、水分補給とおにぎり一個を買いました。
ですが、おにぎりは喉を通りません。やはり胃がやられてしまったようです。
水も騙しだまし飲みます。
頭痛が治る気配はないので、しばらく頭を掻き毟ったりしてごまかしてみました。
30分ほど休憩していると夕日が眩しくなってきました。
いつまでもこうしているわけにはいきません。再出発です。


さて、往路では国道134号線をひた走ってきたわけですが、地図を見ると国道1号線(東海道)を行った方が効率が良さそうということに気付きました。
境川に合流したあとは北上するわけですが、国道134号線の場合はやや南下しつつ江ノ島へ、一方で東海道は結構北上しながら境川に接するのです。
右下にいったあと上に行くのと、右上にいったあと上に行くのでは、どう考えても後者の方がいいではありませんか。
大胆なチャート変更はロード乗りの特権です。


と……いつもは往路と復路を出来るだけ一緒にすることでトラブルを避けてきた俺が、復路で初見の道を選びました。
ロングライドは準備・計画が大事です。その場の判断が必要に迫られることもありますが、出来るだけそうならないようにすることも大切です。
この時の俺は頭痛と胃もたれで、判断力が欠如していたのでしょう……。


そう。
結果的に言うと、この東海道作戦は大失敗に終わります。
まず往路の国道134号線は信号が少なく負担なく高速巡航が出来たのですが、復路の東海道は街中を走っている道路なので信号がめちゃ多いです。
(ただこの点に関しては、コンディションが悪かったので休み休み進めたというメリットもあるかも)
恐らくどちらの道を走っても時間的に差はなかったんじゃないかな、と思います。


まぁ、ここまではいいんですよ。
何故、この作戦が失敗だったかといいますと……。


東海道は辻堂を過ぎたあたりで藤沢バイパスという道路に合流します。
するとすぐに藤沢市民病院が見えてきて、そこがちょうど境川との合流地点になるわけです。
右手を見ながら走っていくと病院が見えてきました。
そして、俺は自分の過ちに気付いたのです。
病院は見えました。
しかし、屋根だけです。
ん?
なにかおかしい。
あれ?


俺、今……


高架走ってね……?


そう。藤沢バイパスは境川を飛び越える高架になっていたのです。
しかも横道に逃げることもできず、引き返そうにも路側帯のほとんどない交通量の多い道路。とても反対車線に移れません。(というか中央分離帯があった気がする)
そして俺はそのまま境川を過ぎて走っていき……
さらに、俺の目の前には、長い長い上り坂が見えてきたのです。


ああああ……。


ロードバイクはメンタルが大きく作用するというのは本当に実感するところであります。
ルート選択を間違え、楽々走れる慣れた境川を通り過ぎ、そしてトドメの坂道。
俺の心は折れてしまいました。
ペダルが……重い……。
とりあえず作業用道路に続く路側帯があったので、そこに避難して休憩します。
頭痛はピークに達しており、胃の不快感も収まるところを知りませんでしたが、とりあえず気合を入れるために最後の補給食を頬張ります。
そしてこのままの道を進みつつ、どうにか自分の知っている道に出るルートを探しました。


新たなルートを確保した俺は、もう一度ペダルを踏み始めました。
泣いても笑っても、自分の力で帰らなくてはなりません。
(輪行袋持ってたら途中で電車に乗ってたと思うけど)


長い長い坂道を上り終えると、あとは割と下り気味の道になりました。
気持ちが楽になりペダルが軽くなります。
新しいルートには自転車専用道もあり走りやすかったです。
知らない町で自転車専用道を見つけると、なんだか嬉しくなりますね。
お店にサイクルラックがあるのを見つけた時と同じ気持ちです。


そして何とか良く知る道に合流しました!


ここから家までも20kmくらいあるし、割とアップダウンの激しい道だったのですが、精神的には、もうゴールしたかのような安心感がありました。
やはり走り慣れた道というのは良いですね。
そして知らない道を走ることの負担というのは思ったよりも大きい。


最後の方は水が喉を通らないので、首筋に水を掛けたりして気付けを行っていました。
一回、間違ってスポドリの入ってる方のボトルをぶっかけたのはご愛嬌。


ラストスパート。境川スルー事件の時とは打って変わり、軽快に走行します。
脚も大分疲れたせいか、クリートをはめるのも外すのも億劫になってきました。しかし立ちゴケは警戒していたので危ないところはありませんでした。


さて


そして出発からおよそ12時間。
距離にして147km。
自宅へと、帰還。


ついに、箱根ライド完走しました。


以下、完走した感想です。
今回は疲労感というより、頭痛と胃のもたれがキツかったですね。
胃の方はジェラート喰ったので胃が冷えたのか、単純に運動量がキツくてやられたのか分かりません。
ロードは食べられなくなったら終わりだという田所先輩(弱虫ペダル)の教えを知っていたので無理やり食いましたが、補給はロングライドの楽しみでもあるので、それが苦痛になるのはかなり悲しいです。でも確かに補給できなくなったら走れなくなりますからねぇ。
うーん。今度はこうならないようにしたいけど、原因をはっきりさせたいなぁ。


そして頭痛の方も良く分からないんですよね。
調べた感じだと、熱中症か、極度の肩こりかって感じなんですが。水分補給はかなり気を付けているので脱水じゃないと思うんですけど。
日差しがかなり強かったから熱中症かな~、もっと掛水とか前半からしておけばよかったかなと思います。
これまでのロングライドでは頭痛は起きなかったので、肩こりではなさそうなんですよね。頭痛が始まったのまだ60kmくらいの時点だったし。


他に反省点としては、もっと早起きして出発すればよかったとか、チャート変更で大失敗したとかありますけど……。
とにかく達成感はハンパないですね。もうちょっと走ってちゃんと150km超えしといたらよかったなってのは思いましたが、体調悪かったのでしょうがないですね。
あと次に箱根行くときは泊りがけで行って、温泉に入ったり、芦ノ湖まで登ってみたいなと思いましたね。


最後に。
小学生の頃、持久走をリタイアしていた俺が、150km弱を自分の力で走れたことは人生において大きな財産になる気がします。(大げさかもしれませんが)
ロードバイクの力を借りてではありますが、それでもこんなに長い距離を走って、そしてそれを楽しめるとは夢にも思いませんでした。
いや、もう、やはり俺のロードバイクのÉmondaちゃんなんですけど、愛着が凄く湧きましたね。
最初はぶっちゃけ特に色とかも気にしてなくて適当に購入した感は否めなかったんですが、ここまで苦楽を共にすると相棒というか、いや恋人ですね、もはや。
Émondaちゃん、ありがとう。これからもよろしくね。


そして俺は、両親に自転車で箱根まで行ってきたことを報告しました。


次回、「はじめての峠」です。