アラサーから始めるロードバイク

運動音痴、運動嫌いの俺がロードバイクに乗り始めた記録です。

小田原攻め~箱根ライド 150km

こんにちは! ロードバイク初心者のyuntaです。


ちょっとだけロードバイクと関係ない話をします。


俺は小学校の頃から運動が苦手でした。
特に持久走が凄く嫌で、いつもビリ争いをしていました。
ある学年の持久走では、リタイアをしたことがあります。
リタイアして家に帰った時に、観戦していた親から「途中でやめたのあんただけだよ、恥ずかしい」と言われました。
それが子供心にとてもショックで、今にして思えば運動全般が嫌いになった決定打だった気もします。
(親の名誉のために捕捉しますが、俺の両親は基本的に甘くほとんど怒ることをしませんでした。親にショックなことを言われることは滅多にありませんでした)
それから十数年後――



さて、ロードバイクを購入してから一カ月が経ったある日。
俺は一つの決心をしました。


豊臣秀吉になる。


まぁ、つまりは小田原攻めです。


自宅から小田原まで片道70km強、往復すれば恐らく150kmに到達するかしないかというロングライドです。


ロードバイクに乗り始めたころ、ロングライドの定義について調べたことがあります。
大体の人によると、50km・100kmがロングライドの相場といった感じでしたが、ある人はこう書いていました。
150kmからがロングライドだ、と。
(ちなみに俺は、初心者は50kmからロングライドと呼んでよく、ロード乗りにとっては100kmからがロングライドという見解です)


つまり俺はようやくホンモノのロングライドに挑戦するのです!


装備も万全です。
ビンディングペダルにしたし、補給食もちゃんと用意しました。
そしてボトルホルダーも2個にして水分補給の準備もばっちりです。
負ける要素はない。


さて、すでに慣れ親しんだ感のある境川サイクリングロードを通って江ノ島を目指します。
途中で飯田牧場に寄ってジェラートを食べました。
気温は結構高かったし日差しも強かったので、とてもおいしかったです。
途中、何人かのロード乗りとすれ違いますが、とりあえずロード乗りを見るとフレームのメーカーを見てしまいますね。自転車のメーカーはロード乗りにとって名刺代わりみたいなもんの気がします。


江ノ島までは特に問題なく到着しました。
江ノ島からは国道134号線を真っ直ぐに進みます。
思っていたより海を見ながら走ることは出来なくて残念でしたが、信号が少なく平坦な道なので快適に走ることができました。
大型車両は結構多かったですけどね。


途中、国道1号線(東海道)に切り替わります。
ここで少し異変が。
少し、頭が痛くなった気がしました。
ただ走行には支障をきたすほどではなかったので、構わずに小田原攻めを続行しました。


ここら辺は結構、小田原側から逆走してくるロード乗りの人が多く、すれ違う時は互いに謎の会釈をしました。なんか仲間意識があるんですよね、ロード乗りに会うと。結構ほっこりします。


小田原市内に入ったところで、すでに昼は過ぎていました。
ここまで快調に飛ばしてきたつもりでしたが、思ったよりも時間が掛かってしまいました。やはり朝寝坊したのが響いたようですね~。
昼ご飯はこの先にある早川で食べようと思っていたので、とりあえず先に小田原城を見学しにいきました。
敷地内は砂利道だったり階段だったりで、自転車を持っていくには不向きな感じでしたが、頑張って天守閣の見えるところまで行きました。
ここで空腹感が出てきたので、携帯していたスポーツ羊羹を食べました。
本当はお腹が空いた時点で遅いので補給失敗なのですけどね……。


さて、とりあえず目的地の小田原に到着ということです。
往路では何度か立ちゴケしそうになりました。
前回


のライドでは立ちゴケしそうになることはありませんでしたが(最後に盛大に立ちゴケしたけど)
今回のライドでは割と信号待ちで危ない場面がありました。
停車したけどなかなかクリートが外れなくて思わずガードレールを掴んだりとか(ガードレールがなければ即死だった)
停車中に右に重心が傾いてしまってガードレールを掴んで間一髪とか(ガードレール様~)
これは帰りの方が疲れているだろうから気をつけねば、と気を引き締めました。


さて小田原城を出たあとは早川で魚を食べました。

こちら。
サイクルラックがあるのは、やはりサイクリストにとって嬉しいですね。
店員のおばちゃんが、凄くサバサバというかテキトーな感じの人で、ちょっと面白かったです。


さて、ご飯を食べて一服したところで、時刻は15時を回っていました。
小田原に来てご飯を食べた時点で6時間くらい掛けてしまったことになります。
ここで一つの選択肢です。
実は今回の小田原攻め、ゴールを箱根湯本にする計画もありました。
「小田原に行った」よりも「箱根に行った」の方がなんか通りが良さそうだからです。
ですが思ったよりも時間が掛かってしまったし、それに何だか頭痛も収まらない……。
どうするべきか少し考えましたが……


迷ったらGOの精神で行くことにしました!
(多摩川CRの時から進歩がない)



箱根湯本までは登りもゆるく一本道ですので、大した苦もなく辿りつく事が出来ました。
良い撮影ポイントが見つかりませんでしたが、赤い欄干の橋のところでロードを置いて記念撮影しました。

ここで鎌倉の時と同じく、外国人の女性から写真を撮って欲しいと頼まれました。別れ際に「メルシー」と言っていたのでフランスから来た方だったのでしょうか。


温泉に入って休みたい気持ちも

凄く

あったのですが、温泉に入っている間のロードが心配だし、時間的にも余裕がないのですぐに出発することにしました。


さて復路がスタートしてすぐに異変が起き始めました。
まず頭痛が収まりません。というよりどんどん強くなってきている気がします。
そして何だか胃のあたりが重い気がします。水分補給がいつものように喉を通りません。
小田原を出てすぐに「これはまずいかもしれない」と思い始めました。
いつもは結構休憩なしでガンガン進んでしまうのですが、途中で一旦休憩を挟むことにしました。
コンビニに寄り、水分補給とおにぎり一個を買いました。
ですが、おにぎりは喉を通りません。やはり胃がやられてしまったようです。
水も騙しだまし飲みます。
頭痛が治る気配はないので、しばらく頭を掻き毟ったりしてごまかしてみました。
30分ほど休憩していると夕日が眩しくなってきました。
いつまでもこうしているわけにはいきません。再出発です。


さて、往路では国道134号線をひた走ってきたわけですが、地図を見ると国道1号線(東海道)を行った方が効率が良さそうということに気付きました。
境川に合流したあとは北上するわけですが、国道134号線の場合はやや南下しつつ江ノ島へ、一方で東海道は結構北上しながら境川に接するのです。
右下にいったあと上に行くのと、右上にいったあと上に行くのでは、どう考えても後者の方がいいではありませんか。
大胆なチャート変更はロード乗りの特権です。


と……いつもは往路と復路を出来るだけ一緒にすることでトラブルを避けてきた俺が、復路で初見の道を選びました。
ロングライドは準備・計画が大事です。その場の判断が必要に迫られることもありますが、出来るだけそうならないようにすることも大切です。
この時の俺は頭痛と胃もたれで、判断力が欠如していたのでしょう……。


そう。
結果的に言うと、この東海道作戦は大失敗に終わります。
まず往路の国道134号線は信号が少なく負担なく高速巡航が出来たのですが、復路の東海道は街中を走っている道路なので信号がめちゃ多いです。
(ただこの点に関しては、コンディションが悪かったので休み休み進めたというメリットもあるかも)
恐らくどちらの道を走っても時間的に差はなかったんじゃないかな、と思います。


まぁ、ここまではいいんですよ。
何故、この作戦が失敗だったかといいますと……。


東海道は辻堂を過ぎたあたりで藤沢バイパスという道路に合流します。
するとすぐに藤沢市民病院が見えてきて、そこがちょうど境川との合流地点になるわけです。
右手を見ながら走っていくと病院が見えてきました。
そして、俺は自分の過ちに気付いたのです。
病院は見えました。
しかし、屋根だけです。
ん?
なにかおかしい。
あれ?


俺、今……


高架走ってね……?


そう。藤沢バイパスは境川を飛び越える高架になっていたのです。
しかも横道に逃げることもできず、引き返そうにも路側帯のほとんどない交通量の多い道路。とても反対車線に移れません。(というか中央分離帯があった気がする)
そして俺はそのまま境川を過ぎて走っていき……
さらに、俺の目の前には、長い長い上り坂が見えてきたのです。


ああああ……。


ロードバイクはメンタルが大きく作用するというのは本当に実感するところであります。
ルート選択を間違え、楽々走れる慣れた境川を通り過ぎ、そしてトドメの坂道。
俺の心は折れてしまいました。
ペダルが……重い……。
とりあえず作業用道路に続く路側帯があったので、そこに避難して休憩します。
頭痛はピークに達しており、胃の不快感も収まるところを知りませんでしたが、とりあえず気合を入れるために最後の補給食を頬張ります。
そしてこのままの道を進みつつ、どうにか自分の知っている道に出るルートを探しました。


新たなルートを確保した俺は、もう一度ペダルを踏み始めました。
泣いても笑っても、自分の力で帰らなくてはなりません。
(輪行袋持ってたら途中で電車に乗ってたと思うけど)


長い長い坂道を上り終えると、あとは割と下り気味の道になりました。
気持ちが楽になりペダルが軽くなります。
新しいルートには自転車専用道もあり走りやすかったです。
知らない町で自転車専用道を見つけると、なんだか嬉しくなりますね。
お店にサイクルラックがあるのを見つけた時と同じ気持ちです。


そして何とか良く知る道に合流しました!


ここから家までも20kmくらいあるし、割とアップダウンの激しい道だったのですが、精神的には、もうゴールしたかのような安心感がありました。
やはり走り慣れた道というのは良いですね。
そして知らない道を走ることの負担というのは思ったよりも大きい。


最後の方は水が喉を通らないので、首筋に水を掛けたりして気付けを行っていました。
一回、間違ってスポドリの入ってる方のボトルをぶっかけたのはご愛嬌。


ラストスパート。境川スルー事件の時とは打って変わり、軽快に走行します。
脚も大分疲れたせいか、クリートをはめるのも外すのも億劫になってきました。しかし立ちゴケは警戒していたので危ないところはありませんでした。


さて


そして出発からおよそ12時間。
距離にして147km。
自宅へと、帰還。


ついに、箱根ライド完走しました。


以下、完走した感想です。
今回は疲労感というより、頭痛と胃のもたれがキツかったですね。
胃の方はジェラート喰ったので胃が冷えたのか、単純に運動量がキツくてやられたのか分かりません。
ロードは食べられなくなったら終わりだという田所先輩(弱虫ペダル)の教えを知っていたので無理やり食いましたが、補給はロングライドの楽しみでもあるので、それが苦痛になるのはかなり悲しいです。でも確かに補給できなくなったら走れなくなりますからねぇ。
うーん。今度はこうならないようにしたいけど、原因をはっきりさせたいなぁ。


そして頭痛の方も良く分からないんですよね。
調べた感じだと、熱中症か、極度の肩こりかって感じなんですが。水分補給はかなり気を付けているので脱水じゃないと思うんですけど。
日差しがかなり強かったから熱中症かな~、もっと掛水とか前半からしておけばよかったかなと思います。
これまでのロングライドでは頭痛は起きなかったので、肩こりではなさそうなんですよね。頭痛が始まったのまだ60kmくらいの時点だったし。


他に反省点としては、もっと早起きして出発すればよかったとか、チャート変更で大失敗したとかありますけど……。
とにかく達成感はハンパないですね。もうちょっと走ってちゃんと150km超えしといたらよかったなってのは思いましたが、体調悪かったのでしょうがないですね。
あと次に箱根行くときは泊りがけで行って、温泉に入ったり、芦ノ湖まで登ってみたいなと思いましたね。


最後に。
小学生の頃、持久走をリタイアしていた俺が、150km弱を自分の力で走れたことは人生において大きな財産になる気がします。(大げさかもしれませんが)
ロードバイクの力を借りてではありますが、それでもこんなに長い距離を走って、そしてそれを楽しめるとは夢にも思いませんでした。
いや、もう、やはり俺のロードバイクのÉmondaちゃんなんですけど、愛着が凄く湧きましたね。
最初はぶっちゃけ特に色とかも気にしてなくて適当に購入した感は否めなかったんですが、ここまで苦楽を共にすると相棒というか、いや恋人ですね、もはや。
Émondaちゃん、ありがとう。これからもよろしくね。


そして俺は、両親に自転車で箱根まで行ってきたことを報告しました。


次回、「はじめての峠」です。